Love, Sweets & Yoga

そうでない人がそれなりにやっていくブログ

佐渡で路線バスに乗りまくってきた(実行編 1日目)

9時15分発の 本線 佐渡金山行 10時30分 佐渡金山着 からの金山観光

本線は両津港から国仲平野を突っ切って、佐和田BSから北上し、相川方面に向かう路線。
佐渡金山まで行く便と行かない便があり、金山に行かない場合は、相川の観光拠点施設である「きらりうむ佐渡」と金山を循環してる路線があるからそれに乗り換える。

離島って、何もない島といろいろある島があって、佐渡は比較的いろいろあるほうの離島で、この路線は島の中でも都会っぽいところを走るので道中はわりと普通の郊外のロードサイドっぽい風景だし、途中までの乗客もわりと多い。

しかし、終点の金山で降りたのは私一人だった。平日の午前中ということもあるのか、金山自体ほとんど人がいなかった。人がいない観光地って最高だと思う。

坑道は2つあって、両方見れる入場券を買う。
1つめは江戸初期に開設された「宗太夫坑」で、この中には当時を模したリアルな人形がいる。有名な「早く外に出て酒が飲みたいおじさん」もここで働いている。横にいる「もとは品川宿にいて、大した悪事もしてないのにこんなところに」とぼやく無宿お兄さんも味わい深かった。お兄さん何をやったんだろう。経験上「大した悪事もしてない」とか自分で言うやつって結構なことをやってることが多い。

youtu.be

この坑道を抜けると、資料館があってお土産物屋さんがある。

私には「観光地のお土産物屋さんでノリでいろいろ買うのは愚か、本当にほしかったら後から通販とかでも買える」みたいな固定観念があって、そこまで本気でお土産を見なかった。しかし、後から考えるとここで売ってた「早く外に出て酒が飲みたい」Tシャツはデザインが秀逸で、あれだけでも買っておけば良かったってすごく後悔した。他の土産物屋にもあのおじさんをモチーフにしたTシャツはあったけど「馴染みの女にあいてえ」とか言ってるだけで「違うやろお前はまず酒やろ」って思った。

金山で売ってるのはこれです。黒地に金で渋い。通販では売られていない。ぜったい買うべき。っていうか通販で売ってほしい。

いいTシャツなので金山に行く人は買ってくださいっていうか、お使いを頼みたいぐらいです。

バスの2dayパスには特典クーポンがあっていろいろ安くなる。それを使ってお土産屋さんで金箔ソフトを食べた。思いの外金箔がゴージャスにのってるが、味は普通のソフトクリームです。

で、一旦外に出て、2つめの坑道に向かう。
明治以降に機械で掘られてた時代の坑道「道遊坑」。ひんやりしていて湿度が高いというメリットを活かして、日本酒の熟成する部屋があったりする。人がいないのですごい幻想的な雰囲気を堪能できた。

FFCCにこういう鉱山あった

最近はこれにMRを組み合わせたコンテンツもあるんだけど、今回は予約しなかった。
www.island-mirrorge.com



坑道を抜けると、割戸の近くまで登れるハイキングコースがあるので登ってみた。完全に山で、金を掘った結果として山が割れている。教科書で「半日村」って話があったけど、あの山みたいなことになってる。

降りてから撮影。あの割れてる山の真下まで行ってきた。

かっこいい近代産業遺産がいっぱいある。そして、やはり人がいない。

イケメンの人形はいる

金山、坑道をけっこう歩くし見るものはたくさんあり2時間ぐらい普通に滞在して見学できるボリュームがある。写真撮る人だったら撮れ高ありそう。有名な観光地のわりに近辺に食べ物屋さんはないので、ランチはどこかで見繕う必要はある。

佐渡金山前 13時20分発のバスに乗り、きらりうむ佐渡で下車

旅行の計画立ててるときはそういう話は出てなかったけど、「いとしげな佐渡」のバス特集と連動して「いとしげな佐渡号」というバスが走るということになって、ラッキーなことに、たまたま当初の旅程に組み込まれていた便が「いとしげな佐渡号」だった。
ラッピングなどはなく、車内広告にNegiccoのMeguちゃんがいっぱいいるだけだが、かわいいのでよい。10分間だけだったけど乗れて良かった。

きゃわわ

「きらりうむ佐渡」では、レンタサイクルを借りて北沢浮遊選鉱場と相川の街並みを見に行く予定にしてたので、受付で頼んだ。

受付の人「ママチャリタイプとスポーツタイプがあります」
わたし「選鉱場までのルートって、坂きついですか?」
受付の人「そんなことはないですよ」
わたし「じゃあスポーツタイプでお願いします」
と会話して、出てきたスポーツタイプは電動タイプだった。

私はママチャリ=電動、スポーツ=非電動と思いこんでたから、なんだか会話が噛み合ってないのだが、実際に現地まで行くと結構な坂だったから、完全に結果オーライではあった。ここの自転車は、整備状況もよくて乗りやすいし、特に相川はもともとすごく栄えた街であり街の規模は何気に大きいので周辺散策するには便利だと思う。アップダウンもあるので電動を推奨します。

www.visitsado.com

青い自転車かわいい

北沢浮遊選鉱場

選鉱場には北沢テラスっていうおしゃれカフェがあるから、そこでランチと思ってたけど、オーダーストップ1時半ということで間に合わなかった。
他に食事ができそうなところはないので、テイクアウトでチリドッグとコーヒー買って選鉱場でピクニックということになった。テイクアウトでも食べ物が買えて助かった。安定の地べたビリティ。

自分のほかは2-3組ぐらい、おそらくカメラ趣味のグループの人々がいたけれど、誰もいない構図で写真撮影できる程度には閑散としてて、すごい雰囲気があった。SNSで「ラピュタ」とか言われてバズったりしてたから、休日だったりハイシーズンだと賑わうんだと思う。平日に来てよかった。

このオープンワールド感。野生のポケモンがでてきそう

ごはん食べると元気になったので「わーい」みたいな感じで、海岸沿いとか港とか古い町並みを自転車でぶらぶら走った。良すぎる。

きらりうむ佐渡15時25分発 七浦海岸線 佐和田BS行

きらりうむ佐渡には金山のことがよくわかるコンテンツがあるので、本当は最初に見てから見学するほうがいいと思う。スケジュール的に無理だったけど。

見学した後にバスに乗ろうとしたら、予定の時間より早いのにバスが止まっていて七浦海岸線って書いてある。
これは、私が乗るバスなのでは……??? と思い運転手さんに話を聞くと、このバスは一旦佐渡金山まで行って戻ってきて佐和田BSに向かうとのこと。本線が相川までしかいかない場合、金山に行くために乗り換えるのがこの路線ということになる。どうせ他に予定もないし2dayパスなのでまたバスに乗せてもらうことにした。バスに乗りに来たのだし、バスには乗れるにこしたことはない。

金山からの帰りは行きのルートと違って山の中腹からきれいに海が見えるコースだったので、乗って良かった。
きらりうむ佐渡→金山の循環コースを走った後は、真野湾の上半分を海沿いに走って佐和田に向かう。

こういう絶景が続く

とにかく景色がいい。車両の右側を陣どって車窓の景色を撮影しまくってた。

佐和田BSには多分日本一小さい伊勢丹があるけどバスの乗り換え時間がタイトだったので今回は店に入らなかった。
dailyportalz.jp

伊勢丹の前にバス停があります

佐和田BS 16時10分発 赤泊線小木行

バスに乗り込むと、見たことないレイアウトだった。後ろの座席がコの字に配置されているし、木造校舎の小学校みたいな匂いがする。このバスは自転車を積める仕様らしい。佐渡はサイクリストの聖地でもあるので、そういうバスもあるのか。でも、むしろ、このコの字は、病院帰りの老人の憩いスペースみたいに使われるのが似合う雰囲気ある。真ん中にだるまストーブ置いたりして。

かなり車歴長め、風格の板張り

バスは、夕暮れの海沿いを通り、そして山に入っていくころには完全に日が暮れて真っ暗になった。
赤泊線は山の中の狭隘路を走るルートで、真っ暗になり何も見えないけど道沿いの枝がバスに当たりまくるので狭隘さがわかる。佐和田を出た段階ではけっこういた乗客も途中でどんどん降りていく。山の中の何もなさそうなバス停で降りるお客さんが闇の中に消えていくのを眺めたりしていた。人にはいろいろな生活がある。

赤泊から海沿いの道になり、小木には17時30分着。その時点で乗客は私1人になっていた。

今日の宿である「おぎの湯」さんまでは小木港から1.5kmぐらいだし、徒歩という計画を立てていた。しかしこのルート、途中までは商店街で歩きやすいけれど、宿が高台にあるので途中からマイルドな山道になり真っ暗だとすごく怖い。スマホを懐中電灯にして歩いたけどタクシーを予約しておくべきだったと思う。けっこう苦労してたどりついた。

おぎの湯

今回は洋室を予約していた。
部屋にはゆとりがあって窓から小木港が一望できるし、ベッドはシモンズで最高。新しい部屋なので水まわりもきれいだし嬉しい。

チェックインした時にロビーに人はけっこういたように思うけど、日帰り入浴のお客さんだったようで、他の宿泊客がほとんど見当たらなかった。
夕食はレストラン食で、お客さんは他に1人。もくもくと食べて佐渡の地酒、金鶴とか飲んだ。

食事のメインはズワイガニと地魚。もちろんすごく美味しいのだが、なんというか質実剛健なメニューであっさりしている。

かにです

写真の他には煮魚、デザートに笹団子、ご飯と汁椀がでた。
酒飲みの中年女にはちょうどよい質と量だけれど、若い人には物足りない可能性はある。

前に佐渡に行って別の宿に泊まった時には「廃棄前提」とか言われて問題になったような昭和の宴会料理のボリュームで、それはそれで辟易したから、体にはこれくらいのほうがありがたいんだけど、旅先ということもあって「うわー!」ってテンション上がる感じもほしいしなかなか難しい。

お風呂はぬめり強めのアルカリ泉で、湯上がりはツルツルになるし、ぬくもりが冷めない、すごい良質な温泉だった。
っていうか、佐渡の温泉はだいたいレベルが高い。
夜なので温泉の窓からも漁火がちらほら見える。

お風呂でホカホカになって、缶チューハイ1本飲んだら眠くなったので良いベッドでぐっすり寝た。なんか健康になった気がする。