Love, Sweets & Yoga

そうでない人がそれなりにやっていくブログ

弘前でねぷたを見てきた話

夏休み2日目は弘前のねぷたを見ることになってた。祭りで宿は高騰してたし日程的にも強行軍だけどなんとか頑張る。

朝7時ごろ新潟を車で出発。朝から気持ちのいい快晴で、日本海が濃い青で美しい。
山形から秋田に抜ける途中の小さい展望公園でババヘラアイス屋さんを発見した。ババヘラアイス屋さんは道端とか草むらにいるっていうから野生のポケモンみたいなものかと思ってたら、本当に看板に黄色いネズミっぽい生き物とキャップをかぶって髪の毛がはねた少年の絵が書いてあったので面白かった。版権と肖像権に配慮して遠方からのショット。

ババヘラアイスはいわゆる「アイスクリン」的なサクサクしたアイスでちょっとフルーツ味。黄色とピンクのアイスをヘラで花びら状に盛り付ける。アイカツスターズのゆめちゃんの髪の毛色である。ババアがヘラで盛り付けるからババヘラアイスだけど、アイス屋さんは必ずしもババアばかりでもなく、わりと若めの人もいる。とけやすいので写真難しい。

象潟の道の駅で展望風呂に入って、売ってる岩牡蠣をその場で剥いてもらって食べた。微妙な産地の差で味が結構違う。同じグレードでも象潟のは肉厚でアミノ酸の旨味が強く、笹川流れのはミネラル分が強い。おそらく象潟のはポン酢と大根おろしで日本酒、笹川流れのはレモン絞って白ワインという感じ。

象潟とか岩城の道の駅の温泉、何度か行ったけど、小さい子ども連れてる若いお母さんがむっちゃ美人でスタイルがいいことが多い。秋田美人って実在するんだって思う。(そして未婚っぽい若い女性はいない)

その後、本庄でうどん食べようとしたら閉店時間でランチ難民になったり、雨が降ってきたりして、弘前についたのはすっかり夕方。気温は21度でものすごく快適。雨はやんでたけど降水確率もそれなりにあったので、念の為、ダイソーでレインポンチョを買った。

宿にチェックインして浴衣に着替えて思ったんだけど、これ、本来気温25度ぐらいで着るもんじゃないのだろうか。昔の日本の夏、日中は30度ぐらいまで上がると「真夏日」って言われて、夜になると「夕涼み」ってのができていた気候向けに作られてると思う。長岡も日中は暑かったけど、川沿いは夜は24度ぐらいまで下がってて気持ちよかった。

浴衣、本来は夏しか着れないものだけど、首都圏とか京阪神の夏は浴衣向けの気候ではなくて、ある種の我慢大会みたいになるよね。まあ、それはそれで楽しいけど、少なくとも猛暑対策にはならないと思う。単に涼しかったころの装束というだけであり、着ることで涼しくはならない。

ゆるゆる歩いてお祭りの会場となる土手町あたりに向かうと、沿道はすでに場所取りのシートや椅子でいっぱい。でも、賑わってはいるけど身動きが取れないほどではなく、これまた快適。適当に屋台でお酒とか食べ物を買ってねぷたが来るのを待つことにした。

中三デパートのフードコートにあるみそラーメン、通称「中みそ」は地元のソウルフードとして有名だけど、お祭り限定で「中みその焼きそば」というのが売られていて、食べてみたら、にんにくの効いた甘辛い肉味噌が焼きそばの上に乗ってて、異常にビールが進む味だった。

コンビニを覗くと、冬にとびきり燗で飲んだ超辛口日本酒「じょっぱり」の缶が冷蔵庫で売られていた。冷やした状態で飲んだら、あのガツンと来るアルコールは感じられず、それはそれで飲みやすいんだけど、蓋を締めてしばらく手で持ってると体温でアルコールが揮発して超辛口っぽくなる。その状態を「じょっぱライズされた状態」とか「じょっぱりパワーがみなぎってきた」とか言いながらゲラゲラ笑って飲んでた。

そしたらねぷたがやってきた。

祇園祭とかもそうだけど「みんなで一生懸命作った巨大な山車を曳いて、太鼓や笛でお囃子鳴らして練り歩くと盛り上がる」というあれです。夜だし光るし、それを曳き手がぶんぶん引っ張って回すし、錦絵はかっこいいし、若い女の子やお姉さん方もさらし巻いてもろ肌脱ぎで太鼓叩いたりしてるし、トラメガ持ったおっちゃんが「ヤーヤ ドー」ってコールアンドレスポンスしてたりで、全体にフリーダム。強い。でも、みんなで踊るような感じではないので、その点では秩序はある。

そして、ねぷたの巡行ルートはそこまで広い道ではなく、対面2車線の道なので、信号とか道路標識はうまく避けていく必要があるんだけど、そこを曳き手がうまく取り回してるのもまた盛り上がりポイント。特に、上に人が乗ってるような巨大なねぷた、どうするんだろうって思ってたら、一番上の部分がたためるようになってたり、土台が伸縮できるようになってたり、ギミックで対応しててすごい。参加してる人みんな楽しそうで見てるほうも多幸感がある祭りだと思う。

終わりも近くなって大粒の雨が降ってきたけどポンチョで凌いで最後まで見守っていると「本日終了」って書いてある小さいねぷたがきて、パトカーが着てお祭りはおしまい。

その後は、海鮮食べたり、いつも行く飲み屋さんで地元の人と話したりで日が変わるぐらいまで飲んで、わりと曖昧になって宿に戻ってきた。楽しすぎてお酒もすすみすぎた。それはいつものことだけど。

現地で食べた中では、このうにがすごかった。平舘産の上質な塩水うにで甘みと旨味だけが凝縮されてる最高のやつが小鉢にてんこもり。

弘前は3度目だけど、いつもわりと慌ただしく催し物だけ見て帰ってるので、今度は特にイベントがない時期にのんびり街を見て回りたいし、おいしいものいろいろ食べたい。

帰り道は酒田鶴岡あたりで何度か爆雨に見舞われつつ、夕方に新潟に帰ってきて、そこから飛行機乗って帰宅した。

離陸直後、ちょうど日没から夜にかけてのマジックアワーで空の上がすごい色。星がひとつだけ光ってた。地上を見おろすと、いろいろな街で花火が上がっていて嘘みたいな風景だった。